先ごろ、会計検査院が安倍首相に報告した平成25年度決算検査報告がクローズアップされています。とくに全国の税務署が取りこぼした法人税が1億4,518万円もあったことが問題視されています。
 いま、衆議院選挙で最大の争点となっているのはアベノミクスの継続の是非ですが、そのアベノミクスの目玉といわれているのが法人税の減税。現在35%程度の実効税率を来年度から5年で20%台に引き下げることを目指しています。
 ところが、ここへきて会計検査院が平成25年度決算報告書で不当事項として全国の税務署が年間で2億5,733万2,901円も取りこぼしていたことを指摘。なかでも一番多かったのが法人税で約50法人から年間1億4,518万4,500円も取りこぼしていました。
 こうした状況について、多くの納税者が「今後、税率が引き下げられて税収が少なくなる可能性のある法人税だけに、取りこぼしがこんなにあると法人だけが優遇されているように思えてならない」と苦言を漏らしています。
 ちなみに、今回の会計検査院の決算報告書では、1年間で国の公的機関が使った税金について402件の不当事項を把握し、総額2,831億7,398万円がムダな使われ方をされたと指摘しています。一番不当事項の多かった行政機関は厚生労働省で、支出だけを見ても206件総額847億1,195万円を浪費しています。