国税庁がこのほど、平成26年度(第64回)税理士試験の結果を発表しました。それによると、またも受験者数や合格者数が前年度を下回っていて、将来の業界の担い手不足が顕著になっています。
今年の税理士試験の受験者数は、前年の45,337人から約9.5%減の41,031人でした。この受験者数については平成18年度より下降し続けています。とくに、今年は受験申込者数が49,876人で5万人の大台を割ったということも大きな特徴といえます。
受験者数が減った分、合格者数も減っていて、前年の8,348人から約17.2%減の6,909人でした。
一方、合格率については、前年の18.4%から16.8%に下落し、過去の実績と比べても低い数値となりました。国家資格試験の中でも難関になりつつあるといえます。税目別に見てみると、消費税法の合格率が1.5ポイント減の10.3%、住民税の合格率が3.3ポイント減の8.7%と極めて低い水準になり、他税目の合格率もそれほど伸びていないことから、試験問題の難易度も全体的に上昇していると考えられます。
受験者数を年齢別に見ると、41歳以上の層では前年と比較して大きな変動はなかったのですが、40歳以下の各年齢層ではいずれも1,000人近く減少し、最も受験者数の少なかった25歳以下の層は僅かに5,547人に留まりました。また、科目別では、初学者が受けることの多い簿記論と財務諸表論の受験者数が大きく数を減らしています。
このように、若年層で深刻な税理士試験離れが見られ、新規の受験者を獲得することができていない状況があることから、国税庁では「税理士業界の人手不足や高齢化が懸念される中、今後いかに若い人材を業界に呼び込むかが大きな課題である」としています。